ドライブ旅

レンタカーの乗り捨てと往復の境界線:片道利用の追加料金とルート設計の判断基準

レンタカーの乗り捨ては、出発した店舗とは別の店舗へ車を返却できる便利な仕組みだ。新幹線や飛行機で現地に入り、片道だけ車で観光して、帰りは別の交通機関を使う。複数の県をまたぐドライブでは、移動の重複を減らせるため、ルート設計の自由度が大きく上がる。…

レンタカーの乗り捨てと往復の境界線:片道利用の追加料金とルート設計の判断基準

ただし、レンタカーの乗り捨てと往復を比較すると、単純に片道利用が便利とは言い切れない。返却車両を元の店舗へ戻す回送コストが、ワンウェイ料金として加算されるからだ。長距離になるほど手数料は膨らみ、車両の基本料金を上回るケースもある。

判断のポイントは、乗り捨て料金だけを見ることではない。往復した場合に増える高速道路料金、燃料代、運転時間、宿泊費、そして観光地での滞在時間まで含めて比較する必要がある。ここを外すと、安く借りたつもりが、返却方法だけで予算を大きく消費することになる。

乗り捨て料金は、車両を戻すための回送費

レンタカーのワンウェイ利用では、出発店舗と返却店舗が別になる。利用者にとっては車を片道で使えるだけだが、レンタカー会社にとっては、返却された車両を別の店舗へ戻す作業が残る。

そのため、乗り捨て料金は単なるオプション料金ではない。店舗間の距離、都道府県をまたぐかどうか、車両クラス、営業エリア、返却店舗の在庫状況などを反映した回送コストと考えると分かりやすい。

同じ距離でも、会社によって料金体系は異なる。距離だけでなく、都道府県単位やエリア単位で料金が設定されている場合もある。予約画面で表示された金額が最終的な基準になるため、一般的な相場だけを見て出発するのは避けるのが無難だ。

乗り捨て料金が発生する主な条件は、次の通りだ。

  • 出発店舗と返却店舗の距離が一定以上ある
  • 都道府県をまたいで返却する
  • 営業エリアをまたぐ
  • 車両クラスや車種によって回送条件が異なる
  • 返却先の店舗がワンウェイ対象外である
  • 繁忙期や特殊な営業区域で、乗り捨て受付に制限がある

特に注意したいのが、予約時には返却店舗を選べても、すべての車種で乗り捨てできるとは限らない点だ。乗用車では利用できても、商用車や特殊車両では対象外になることがある。人数や荷物の都合で車種を先に決める場合は、車両選びと返却条件を同時に確認する必要がある。

距離別に見るワンウェイ料金の目安

大手レンタカー会社の長距離乗り捨て料金は、店舗間の距離が伸びるにつれて段階的に上がる。目安としては、次のような幅で考えておくとルートの初期設計をしやすい。

店舗間の距離乗り捨て料金の目安ルート設計での見方
50km未満無料〜3,300円程度同一エリア内なら有力
50〜100km3,300〜5,500円程度便利さと追加料金の比較
100〜200km5,500〜11,000円程度往復回送の負担を計算
200〜300km11,000〜16,500円程度片道交通機関との組み合わせを検討
300〜400km16,500〜22,000円程度長距離では料金が主なボトルネック
400km以上22,000円以上、要確認乗り捨て以外のルートを推奨

これは全国一律の料金表ではない。あくまで比較の出発点だ。東京から大阪へ乗り捨てる場合、最安クラスの例でも約35,750円(税込)という水準になる。車両の基本料金とは別にこの金額が加わるため、長距離では往復利用との価格差が一気に縮まる。

乗り捨ては「片道だから安い」のではなく、「戻るための時間を買う」サービスだ。料金の正体を理解すれば、使うべき区間と避けるべき区間が見えてくる。

無料になる乗り捨ては、短距離と同一県内が中心

ワンウェイ料金が常に有料とは限らない。近距離の店舗間や、同一都道府県内の一部エリアでは、乗り捨て手数料が無料になるケースがある。

ニッポンレンタカーでは、出発店舗と返却店舗の距離が20km未満の場合、ワンウェイ料金が無料となる。都市部で駅周辺の店舗をつなぐ利用や、空港店と市街地店の組み合わせでは、この条件に収まる可能性がある。

トヨタレンタカーでは、北海道を除く同一都道府県内の店舗間であれば、乗り捨て手数料が無料に設定されている。県内の観光地を一方向に抜けるルートでは、出発地へ戻る必要がなくなるため、旅程全体の動線が整えやすい。

ただし、無料条件には例外がある。北海道のようにエリアの扱いが異なる地域や、対象外の店舗、車種、営業所がある場合も考えられる。予約画面で無料表示が出るか、店舗間の組み合わせがワンウェイ対象になっているかを確認してから旅程を固めたい。

無料乗り捨てを活かしやすいルート

無料条件を活用しやすいのは、観光の入口と出口を変えたい場合だ。

たとえば、県庁所在地や主要駅で車を借り、温泉地や海沿いの観光地を経由して、別の都市で返却する。帰りに同じ道を戻らずに済むため、観光地の滞在時間を確保しやすい。特に、海岸線や山間部を含むルートでは、同じ道路を往復するだけで相当な時間を使う。県内で乗り捨て料金が無料になるなら、往復を前提にする理由は薄くなる。

一方、店舗間の距離が短くても、観光ルートそのものが大きく迂回している場合は注意が必要だ。返却店舗までの距離が短いからといって、旅程全体が効率的になるとは限らない。観光地の開館時間、食事の営業時間、山道の通行条件を含めて、車を返す時刻から逆算する必要がある。

往復と乗り捨て、比較すべきは「総額」と「失う時間」

レンタカーの乗り捨てと往復を比較する際、最初にやるべきことは、車両料金だけを比べないことだ。

往復利用では、同じ店舗へ車を戻す代わりに、次の費用と時間が増える。

  • 往復分の高速道路料金
  • 走行距離に応じた燃料代
  • 返却店舗へ戻るための運転時間
  • 途中で必要になる休憩や食事の時間
  • 帰着が遅くなることで発生する宿泊費や交通費
  • 長時間運転による疲労と、翌日の予定への影響

乗り捨て利用では、これらの一部を減らせる代わりに、ワンウェイ料金が加算される。つまり、比較の基本は次のようになる。

乗り捨ての総額=レンタカー基本料金+ワンウェイ料金+片道分の高速道路料金・燃料代

往復の総額=レンタカー基本料金+往復分の高速道路料金・燃料代+追加の宿泊・移動費

基本料金が同じ条件なら、乗り捨て料金と、往復することで増える費用を比べればよい。ただし、実際にはレンタル時間も関係する。乗り捨てで返却時刻が早くなれば短時間プランが使えることがある一方、往復で返却時刻が遅くなれば利用時間が延びる可能性がある。

計算の順番を間違えない

比較は、次の順番で進めると判断がぶれにくい。

1. 出発地と返却地を先に決める

「東京で借りて大阪で返す」といった大まかな設定だけでは不十分だ。実際には駅前店、空港店、郊外店で料金も営業時間も異なる。観光の最終地点から返却店舗までの移動を含めて候補を絞る。

2. 乗り捨て料金を予約画面で確認する

相場表は目安にすぎない。同じ都市間でも、店舗の組み合わせや車種によって金額が変わる。料金が表示されない場合は、電話確認を推奨する。

3. 往復した場合の走行距離を出す

地図上の直線距離ではなく、実際の道路距離で見る。山間部や半島部では、地図上の近さと道路上の距離が大きく違うことがある。

4. 高速道路と燃料の差額を比較する

往復にすると、走行距離と高速道路利用が増える。乗り捨て料金が高く見えても、往復の移動費を足すと差が小さくなる場合がある。

5. 運転時間を金額以外の価値として見る

片道レンタカー旅では、移動の重複を減らせる。観光地を一つ追加できる、夕方の交通機関に間に合う、宿泊を一泊減らせる。この部分を数字だけでなく旅程の実用性として判断する。

6. 営業時間と返却条件を確認する

乗り捨て先の店舗が早く閉まる場合、観光を切り上げる必要がある。無人返却の可否や、営業時間外返却の扱いも店舗ごとに異なるため、最後に確認するのでは遅い。

乗り捨てが有利になりやすいケース

乗り捨ての追加料金があっても、次のような旅では合理性が高い。

  • 出発地と帰着地が異なる周遊ルート
  • 新幹線や飛行機の片道移動と組み合わせる旅
  • 往復すると同じ道路を長時間走ることになる観光地
  • 帰りの交通機関の時間が決まっている旅
  • 高齢者や子どもが同行し、運転時間を抑えたい旅
  • 片道の鉄道駅や空港へ確実に移動したい旅

反対に、同じ観光エリアを拠点に数か所を回るだけなら、往復利用の方がまとまりやすい。返却店舗が出発地と同じなら、ワンウェイ料金は発生しない。周辺観光の距離が短ければ、高額な乗り捨て料金を払う意味も薄い。

ここでの境界線は、単純な距離ではない。乗り捨て料金が数千円の範囲に収まるなら、時間短縮の効果が上回りやすい。100〜200km程度では5,500〜11,000円前後、200kmを超えると11,000円以上が目安になるため、往復時の高速代と燃料代を具体的に並べる段階に入る。300kmを超えるような長距離では、料金だけでなく、鉄道や飛行機を組み合わせた方が動線を整えやすい。

長距離の乗り捨ては、区間を分けると現実的になる

長距離の片道レンタカー旅で、乗り捨て料金が大きなボトルネックになる場合は、ルート全体を一台の車でつなごうとしない方がよい。

たとえば、都市間を高速道路で一気に移動してから観光用のレンタカーを借りる方法がある。主要都市間は新幹線や飛行機で移動し、現地で必要な区間だけレンタカーを使う。これなら、長距離乗り捨て料金を避けながら、公共交通機関では届きにくい郊外や温泉地へアクセスできる。

この場合、レンタカーを借りる区間は「観光地を結ぶ部分」に限定する。駅から宿泊地、宿泊地から景勝地、景勝地から別の駅というように、車が必要な区間だけを切り出すのが基本だ。

長距離で検討したい代替案

1. 鉄道で都市間を移動し、現地で往復利用する

長距離の乗り捨て料金が高い地域では、都市間移動を鉄道に任せ、到着地で同じ店舗へ返すレンタカーを借りる方法がある。

この方法の利点は、レンタカーの乗り捨て料金を抑えられることだけではない。高速道路を長時間走る区間を減らせるため、運転担当者の疲労が小さい。観光地周辺の移動だけに集中でき、旅程の組み立ても容易になる。

ただし、鉄道駅からレンタカー店舗までの移動が必要になる。駅前店があるか、送迎が必要か、営業開始時刻が列車の到着に合うかを確認したい。

2. 途中の都市で車を返し、次の都市で借り直す

一台の車を長距離で乗り捨てる代わりに、途中の都市で返却して、別の店舗で新たに借りる方法だ。レンタル契約が分かれるため、基本料金が二重になる可能性はあるが、長距離ワンウェイ料金を抑えられることがある。

この方法は、宿泊を挟む長いドライブ旅と相性がよい。午前中に一つの観光エリアを出発し、夕方に交通拠点へ到着。翌朝、別の車で次のエリアへ向かう。無理に一日で走り切らず、観光と移動を分離できるのが強みだ。

一方、乗り換えの手間が増える。荷物を積み替え、店舗まで移動し、返却と貸し出しの手続きを繰り返す必要がある。旅の人数が多い場合や荷物が多い場合は、料金差だけでなく手間も含めて判断する。

3. 短距離の乗り捨てを複数回使う

同一都道府県内や短距離店舗間で無料条件が使えるなら、長距離区間を分割する設計も可能だ。もちろん、すべての区間で都合よく無料になるわけではない。店舗網と観光地の位置が合わなければ成立しない。

この方法では、返却店舗の場所がルートの基準になる。観光地から最寄りの店舗を探すのではなく、返却可能な店舗を先に置き、その周辺で立ち寄り先を組み立てるのが実務的だ。

4. 回送車両を使う限定プランを探す

レンタカー会社によっては、車両を本来の営業所へ戻すための回送を利用者に委ねる、特定区間・日時限定のプランがある。トヨタレンタカーの「片道GO!」はその一例で、24時間2,200円(税込)など、通常の乗り捨て料金より大幅に安い条件が設定されることがある。

ただし、これはいつでも使える通常商品ではない。対象となる車両、区間、日時、返却店舗が限定される。旅行日程に合わせて探すというより、使える日程に旅を合わせられる場合に有効な選択肢だ。

安いからといって、観光ルートに無理を入れるのは推奨しない。返却時刻や距離制限に余裕がなく、少しの渋滞で予定が崩れるなら、通常のレンタルや往復利用の方が安全である。

長距離では、乗り捨て料金を値引き交渉するより、車を使う区間そのものを短くする方が、ルート設計としては確実だ。

格安レンタカーで乗り捨てが難しい理由

格安レンタカーは、車両基本料金の安さが魅力だ。一方で、乗り捨てに対応していない事業者が多い。理由は明確で、店舗間の回送にかかる人員と車両、時間のコストを抑えているからだ。

大手レンタカー会社は、全国や広域の店舗網を持ち、店舗間で車両を移動させる運用を前提にしている。ワンウェイサービスは、そのネットワークを使って成立する。格安事業者では、店舗ごとの在庫運用が中心となるため、別店舗への返却を受ける仕組みを持たないことがある。

この差は、車両基本料金だけを比較すると見落としやすい。格安レンタカーで往復利用する場合、車両料金は安くても、観光地までの移動距離が伸びれば高速代と燃料代が増える。大手で乗り捨てする場合は、基本料金が高く見えても、片道移動によって走行距離と運転時間を抑えられる可能性がある。

比較するときは、次のように役割を分けて考えるとよい。

選択肢向いている旅主なボトルネック
格安レンタカーの往復一つの地域を拠点に周辺を回る旅返却店舗へ戻る時間と距離
大手の乗り捨て出発地と帰着地が異なる片道旅ワンウェイ料金
大手の往復店舗網や営業時間を気にせず使いたい旅往復分の高速代・燃料代
途中返却・借り直し長距離を複数日に分ける旅手続きと荷物の積み替え
限定の回送プラン日時と区間を合わせられる旅利用条件と在庫

格安レンタカーでも、すべての店舗で乗り捨てが不可能だと断定することはできない。フランチャイズ店舗などで個別の取り扱いがある可能性もあるため、必要なら店舗へ直接確認する。ただし、片道レンタカー旅を最初から前提にするなら、大手レンタカー会社を中心に探すのが無難だ。

予約前に詰めるべき実務上のポイント

乗り捨て利用は、返却地を変えるだけの予約ではない。旅の最後の数時間を左右するため、出発前に動線を細かく作っておきたい。

返却店舗は観光地からのアクセスで選ぶ

都市名だけで返却店舗を選ぶと、最後に大きな遠回りが発生することがある。観光地から店舗までの道路が混みやすい、駅前が進入しにくい、空港周辺で給油や渋滞が発生する。このような条件は、地図上の距離だけでは判断しにくい。

返却店舗を決めるときは、次の順で見ていく。

  • 最終観光地から返却店舗までの所要時間
  • 店舗周辺の渋滞しやすい交差点や市街地
  • ガソリンスタンドの位置
  • 返却後に利用する鉄道や飛行機の出発時刻
  • 営業時間と返却手続きに必要な余裕
  • 荷物を持って駅や空港へ移動しやすいか

返却時刻に合わせるため、最終観光地の滞在を短くするような計画は避けたい。返却店舗には、予約上の返却時刻ぴったりではなく、渋滞や給油を含めた余裕を持って到着する動線を推奨する。

乗り捨て料金以外の追加条件

ワンウェイ料金を確認したら、次は利用条件を見る。追加料金の金額だけを見て予約すると、現地で条件が合わないことがある。

  • 返却可能な店舗か
  • 対象車種か
  • 利用時間に制限がないか
  • 走行可能な地域に制限がないか
  • 返却時の給油条件は何か
  • 営業時間外の返却に対応しているか
  • 予約変更で返却店舗を変えられるか
  • 繁忙期の受付条件が変わらないか

特に空港返却は、店舗とターミナルが離れている場合がある。返却手続き後に送迎車へ乗る時間まで含めて計画する必要がある。飛行機に乗る場合、店舗到着時刻を出発時刻から逆算するのではなく、送迎や保安検査に必要な時間を先に確保する方が安全だ。

山間部・海岸線では返却時刻に余裕を置く

山間部の観光地や海岸線のドライブコースは、天候や工事、観光シーズンの混雑で所要時間がぶれやすい。高速道路のように一定の速度で移動できる区間ばかりではない。

「地図上では間に合う」という計画は、乗り捨て旅では危険だ。返却時刻に遅れると、追加料金や契約上の扱いが変わる可能性がある。具体的な条件は会社と契約によるため、遅れそうな場合の連絡先と対応方法は、出発前に確認しておく。

観光地を詰め込みすぎず、最後の立ち寄り先から返却店舗までを一つの移動区間として扱う。途中で食事や買い物を入れるなら、返却前ではなく、その前の区間に置く方が調整しやすい。

片道レンタカー旅のルートを組む基本手順

片道利用を成功させるには、観光地を先に並べるのではなく、交通の入口と出口から組み立てる。

入口と出口を決める

まず、新幹線駅、空港、主要駅など、旅の開始地点と終了地点を決める。ここで大切なのは、最初から同じ場所に戻る前提を外すことだ。

たとえば、入口を都市部の駅、出口を別の都市の駅に設定する。そこから、両地点の間にある観光地を並べる。帰り道を戻る必要がないため、海岸線から内陸へ抜けるルートや、温泉地から城下町へ移動するルートも組み込みやすい。

車が必要な区間を見極める

全行程をレンタカーにする必要はない。公共交通機関で移動できる区間と、車でなければ動きにくい区間を分ける。

車を使う価値が高いのは、次のような場所だ。

  • 駅から離れた温泉地
  • バスの本数が少ない山間部
  • 複数の道の駅を巡る区間
  • 海岸線の展望地や小さな港町
  • 荷物や土産が増える買い物ルート
  • 朝夕の公共交通が限られる観光地

逆に、駅前の歴史地区や中心市街地は、駐車場不足がボトルネックになりやすい。市街地だけを歩いて回れるなら、車を早めに返却し、徒歩や鉄道に切り替える方が快適な場合もある。駐車場を探す時間まで含めると、車の優位性が消えることは珍しくない。

返却地を観光の最終目的地にしない

返却地は、最後に見たい場所ではなく、帰りの交通機関へ接続する地点だ。最終観光地と返却店舗を近づけることが理想だが、店舗の営業時間や料金条件が合わない場合は、途中の交通拠点を出口にする。

この設計にすると、最後の観光地で時間を使い切らずに済む。返却店舗までの移動に必要な余裕を確保し、帰りの列車や飛行機に接続しやすい。

実用的なタイムスケジュールの組み方

乗り捨て利用では、返却時刻が旅程の締切になる。観光地の営業時間から予定を作るのではなく、返却時刻から逆算する方が失敗しにくい。

半日から1日程度の片道ドライブ

短時間の片道利用では、立ち寄り先を増やしすぎないことが基本だ。

  • 出発:駅や空港の店舗。貸し出し手続きと車両確認
  • 午前:出発地から最初の観光地へ移動
  • 昼:駐車しやすく、食事時間を読みやすい場所
  • 午後:最終観光地。滞在時間を先に決める
  • 夕方:返却店舗へ移動。給油と返却手続き
  • 夜:駅や空港から次の交通機関へ接続

この場合、最後の観光地を返却店舗から遠くしないことが重要だ。絶景スポットを最後に置くと、滞在時間を削る判断になりやすい。景色を優先するなら、返却日の前半に配置する方を推奨する。

1泊以上の長距離ドライブ

長距離では、移動日と観光日を混ぜすぎない方がよい。初日に距離を稼ぎ、翌日に観光するのか、観光地をつなぎながら少しずつ進むのかを決める。

乗り捨て料金が高い区間では、次のような組み方が現実的だ。

  • 主要都市まで鉄道で移動
  • 現地でレンタカーを借りる
  • 郊外の観光地を周遊
  • 同じ県内または近距離の別店舗へ返却
  • 鉄道や飛行機で帰る

これなら、一台の車で都市間を走り切る必要がない。長距離の高速道路移動を減らし、観光のための運転に集中できる。

乗り捨てのデメリットを先に把握する

片道レンタカー旅には、明確なデメリットもある。便利さだけを見て予約すると、帰りの自由度を失う。

第一に、返却店舗の選択肢が限られる。出発店舗は多くても、希望する観光地の近くに返却可能な店舗があるとは限らない。結果として、観光地から離れた都市まで戻ることになれば、乗り捨ての利点が薄れる。

第二に、料金の見通しが立ちにくい。距離、県境、車種、店舗の組み合わせによって変動するため、車両基本料金だけでは総額を判断できない。予約画面の最終金額を見るまで、予算を確定させにくい点は往復利用より不利だ。

第三に、返却時刻のプレッシャーが強い。同じ店舗へ戻る往復利用なら、多少の予定変更に対応しやすい。乗り捨てでは、帰りの列車や飛行機との接続があるため、渋滞や観光地での滞在延長がそのままリスクになる。

第四に、車内の荷物整理が必要になる。乗り捨て先で返却してしまえば、忘れ物を取りに戻ることは難しい。土産を多く買う予定なら、荷物を置く場所と返却前の確認時間を確保しておきたい。

最後に、返却後の移動が発生する。店舗が駅前にあるとは限らず、空港店でもターミナルまで送迎が必要なことがある。車を返した時点で旅が終わるわけではない。返却店舗から次の交通機関までの動線を含めて、片道レンタカー旅は完成する。

乗り捨てを使うべきか、判断の境界線

レンタカーの乗り捨てと往復を比較する際、料金だけで結論を急ぐ必要はない。次の三つを分けて考えると、判断しやすくなる。

料金の境界線

乗り捨て料金が数千円程度で、往復すると高速代や燃料代が増える場合は、乗り捨てが有力になる。特に、帰りの道路が大きく迂回するルートでは、追加料金を払ってでも片道にする意味がある。

一方、100kmを超えるあたりから手数料は無視しにくくなる。200〜300kmでは1万円を超える目安となり、300km以上では2万円前後に達することもある。ここまで来ると、鉄道で都市間を移動し、現地で借り直す案を並べるべきだ。

時間の境界線

往復で失う時間が、観光地一か所分に相当するなら、乗り捨ての価値は高い。早朝から夜まで運転して戻る旅は、費用を抑えられても、旅行としての満足度を落としやすい。

ただし、片道にしたことで返却時刻が厳しくなるなら逆効果だ。片道利用は移動時間を短くするための仕組みであり、返却時間に追われるための仕組みではない。

動線の境界線

出発地、観光地、返却店舗、帰りの交通機関が一本の動線に乗るなら、乗り捨てを推奨する。返却店舗がルートから大きく外れるなら、料金が無料でも使い勝手は悪い。

無料条件に該当するかどうかだけでなく、返却店舗までのアプローチを確認すること。高速道路を降りてから市街地を長く走る、駅前の一方通行が多い、空港周辺で送迎に時間がかかる。このような最後の区間が、片道旅の実際のボトルネックになる。

まとめ:乗り捨ては距離ではなく、旅全体の動線で決める

レンタカーの乗り捨ては、出発店舗へ戻る時間を省ける一方、距離に応じたワンウェイ料金が発生する。短距離では無料から数千円程度で利用できるケースがあり、同一都道府県内の店舗間で無料になる会社もある。一方、長距離では1万円単位の追加料金となり、東京〜大阪間のような区間では約35,750円(税込)の例もある。

往復と比較するときは、基本料金だけでなく、高速道路料金、燃料代、運転時間、宿泊費、帰りの交通機関まで含めた総額で見ること。乗り捨て料金が高い場合は、鉄道で都市間を移動して現地で借りる、途中で返却して借り直す、限定の回送プランを使うといった代替案が有効になる。

実際のルートでは、次の順番を推奨する。

1. 旅の入口と出口を決める

2. 車が必要な区間だけを切り出す

3. 返却店舗の候補を選ぶ

4. ワンウェイ料金を予約画面で確認する

5. 往復時の高速代・燃料代・運転時間と比較する

6. 返却時刻から逆算して観光地を配置する

乗り捨ては、便利そうだから使うものではない。帰り道の重複を減らし、観光の動線を整えるために使うものだ。料金が安い区間、時間を買う価値がある区間、別の交通手段へ切り替えるべき区間を分ければ、片道レンタカー旅は無理なく組み立てられる。

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よくある質問

レンタカーの乗り捨て料金はなぜ発生するのですか?
返却された車両を元の店舗へ戻すための回送コストが、ワンウェイ料金として加算されるためです。店舗間の距離や都道府県をまたぐかどうか、車両クラスなどが料金に反映されます。
乗り捨て料金が無料になるのはどのような場合ですか?
近距離の店舗間や、同一都道府県内の店舗間などで無料になるケースがあります。例えば、ニッポンレンタカーでは20km未満、トヨタレンタカーでは北海道を除く同一都道府県内であれば無料になる場合があります。
乗り捨てと往復のどちらがお得か判断する基準はありますか?
乗り捨て料金と、往復することで増える高速道路料金や燃料代、宿泊費、運転時間を比較してください。乗り捨て料金が数千円程度に収まるなら時間短縮の効果が高く、長距離で料金が高額になる場合は公共交通機関との併用が合理的です。
格安レンタカーでも乗り捨ては利用できますか?
格安レンタカーは店舗間の回送コストを抑える運用をしていることが多く、乗り捨てに対応していない事業者が多いです。片道利用を前提とする場合は、広域な店舗網を持つ大手レンタカー会社を中心に探すのが無難です。
長距離の乗り捨て料金を抑える方法はありますか?
都市間を鉄道や飛行機で移動し、現地で必要な区間だけレンタカーを借りる方法や、途中の都市で一度返却して借り直す方法があります。また、レンタカー会社が実施する回送車両の限定プランを利用する選択肢もあります。

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