
大阪と奈良、駅前の華やぎと里の老舗
大阪駅を降りてすぐ、大丸梅田店の地下一階へ。りくろーおじさんの店の焼きたてチーズケーキは、読者のあいだでも繰り返し名前が挙がる逸品で、ふわっとした口当たりが忘れられず、大阪へ出かけるたびに買って帰りたくなると、多くの人が口を揃えます。大丸梅田店の営業時間は10時から20時、JR大阪駅からは徒歩1分、御堂筋線の梅田駅からもすぐという立地のよさは、旅の予定に組み込みやすいですね。並び時間を気にして断念した経験を持つ読者も少なくないようですが、大阪駅周辺を歩く用事があるなら、ぜひ覗いてみたくなる一軒です。
奈良・天理市まで足を延ばすと見えてくるのが、JR万葉まほろば線の櫟本駅から徒歩8分ほどの場所にある豆菓子の老舗「中西ピーナッツ」です。創業100年以上の歴史を持つこのお店には、週末ともなれば京都や兵庫、鈴鹿など県外ナンバーの車が駐車場にずらりと並びます。千葉県八街産の落花生は1,700円(税抜)、瓶入りの豆菓子にいたっては250グラムで380円(税抜)と、歩く旅人の財布にうれしい設定。柿ピーだけでもノーマル、ゆず胡椒、激辛、わさび、黒糖、チーズペッパーと並び、ついカゴに手が伸びてしまいます。店内ではピーナッツアイスをいただくこともできるので、歩き疲れたひと休みのついでに立ち寄るのもよさそうです。ほんのりメープルシロップの香りがするアイスの上には、落花生をかたどった最中がちょこんと乗っています。常温で3ヶ月ほど日持ちがするので、旅の終盤にまとめ買いしても安心です。
西宮・夙川、坂道の先に待つ洋菓子
神戸のお土産と聞くと華やかな洋菓子を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、少し足を延ばして阪急甲陽線の苦楽園口駅で降りてみましょう。駅から徒歩13分、苦楽園の住宅街に佇むのが「HEIDI」の本店です。兵庫県産の小麦粉を使ったスポンジにガナッシュを重ねた「アルハンブラ」は、冷やして食べるとアイスケーキのような滑らかな口当たりに変わるとのこと。常温とは違う表情を見せるその一皿は、街歩きの途中にもう一息つきたくなったときに、ぜひ手にしたい一品です。西宮阪急や宝塚阪急、阪急百貨店各店の催事でも出合えることがあるので、旅の予定と重なれば覗いてみてください。ヘーゼルナッツの香ばしさとチョコレートの余韻が、歩き慣れた坂道にほどよく寄り添ってくれます。
夙川駅北口から歩いて4分、1982年創業の「ミッシェルバッハ」もまた、歩く価値のある一軒です。2代目のオーナーがサダハル・アオキで修行を積まれた経歴の持ち主だというのは、その確かな実力に納得のいくエピソード。朝7時には整理券が配られ、午前10時の開店までに行列ができるほどの人気ぶりは、クッキーローゼの素朴で力強い味わいを想像させます。アプリコットジャムを乗せたバニラと、チョコレートを乗せたチョコ味。素材は小麦粉・砂糖・バター・チョコレート・アプリコットジャムだけという潔い構成も、歩く旅人の心にはぐっと届くはず。営業は10時から12時半、13時40分から17時30分までで、定休日は最新の情報を公式インスタグラムでご確認を。レトロな絵が描かれた外箱を開けるひとときまで含めて、旅のいい思い出になりそうです。
旅の余韻を、おすそわけに変える
関西の街を歩いてみると、行列の長さや老舗の歴史の厚みがお菓子や豆菓子の味にそのまま沁みついていることに気づきます。ふわっとした口どけ、ほろっと崩れる触感、香ばしい余韻――。立ち止まって食べた一口が、歩き疲れた身体にじんわり広がっていく感覚は、旅のなかでこそ得られるものです。自分へのご褒美にするもよし、家族や大切な人への手土産にするもよし。次の関西旅では、少しだけ歩くルートを伸ばして、こうした路地裏の名品を探してみてはいかがでしょうか。お土産の包みを開けたとき、旅行の記憶がふわりと蘇るような、そんな一期一会があなたを待っています。
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